海辺からのお呼び出し

Life

土曜日の午後。
高松での買い物から帰って来て、家で一息ついていると、知らない番号から電話が。

「濱口だけど、今何しとるん」

濱口さんは、秋に男木へ来た時、稚魚の放流にご一緒させてもらった漁師さん。
島へ引っ越してからは、ばったり会うとよく「あのときは放流いっしょに行ったなぁ」と楽しそうに話してくれます。

「島テーブルまでちょっと来てくれんか」と言うので、港近くにあるその場所まで、坂道を早足で降りていきました。

島テーブルに着くと、サザエを焼きながら、タコの天ぷらを作っている濱口さんの姿が。

「飲みましょう」と、濱口さん。

もうすぐ日が落ちそうな海辺のテーブルで、濱口さんが今日海に潜ってとってきたサザエのつぼ焼きと、男木でとれたタコの天ぷらをいただきます。

11月からお酒を飲んでいなかったという濱口さんは、「久しぶりに飲んだけど、一緒に飲むと美味しいなぁ」と楽しそうに笑います。

週末になると、この島テーブルで、サザエ飯やタコ天など漁師の味をふるまい、島を訪れる人たちと交流している濱口さん。
毎週土日、天候が荒れる日を除いては、休まず営業しているそう。

そうしているとき、若い一組のお客さんが来て、本日最後のサザエ飯が売り切れました。
今日のお仕事、終了です。

島外にいる家族もときどき手伝いに来てくれるそうで、壁には仲の良さそうな家族写真がありました。

ふいに、「ちょっと待ってな」と立ち上がる濱口さん。

「天然の生簀(いけす)や」と言いながら、海に下がっている網を引き上げ、中からサザエを取り出します。

サザエをその場でお刺身にすると、半年分はあろうかという大量のわかめと、とっておいてくれたサザエ飯と一緒に、お土産に持たせてくれました。

「今日は来てくれてよかった。いちかばちか、誘ってみたんや」と笑う濱口さん。

島での日常は、予期せぬ出来事であふれています。