夜明け前からのサザエ飯づくり

Eats

日曜日、まだ夜明け前の真っ暗な路地。
一軒だけ、煌々と明かりの着いている家があります。

普段は男木島の「島テーブル」で、手作りのサザエ飯を売っている濱口さんのお家。
今日は、高松のサンポートに出店するということで、夫婦揃って夜中から準備に大忙しです。

3升分もあるサザエ飯を、炊き上がったものから箱詰めしていきます。

「昔は結婚式やらお葬式やらで親戚や島の人たちがみんな集まって来て、2〜3日がかりで食事の準備しとったんよ。」と話してくれるお母さん。
結婚式なら天ぷら、南京豆の煮物、バラ寿司など。お葬式ならひじきの煮物のようなお肉を使わない料理を、近所の人たちに手伝ってもらいながら作り、それはそれは大仕事だったんだそう。

「ほかほかのもんを、あがりんしゃい」と、濱口さんがサザエ飯をお茶碗によそってくれました。
コリっとしたサザエと、人参やしいたけの甘みが交わって、優しさと温かさが体の中に広がります。

「わしも移住者やからのう」と言う濱口さんは、50年前に佐賀から男木島へ移住してきました。
当時は、男木島も漁師の数が多く、漁港に行けばとてもにぎやかだったそう。
同じ移住者として、「友達はできたか?」とか、地方によくある「人間関係の近さ」に疲れてないかとか、よく心配してくれます。

「ほな、あきこさん」
と、呼ばれながら(正しくは、かおり)、今度はサザエ飯を販売カートの中に入れていきます。

これで、準備完了です。
高松へ行く9時の船に余裕をもって間に合い、笑顔で出かけて行く濱口さんでした。