わかめの仕事

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島の人たちから、「もうすぐ始まるよ」と聞いていた「わかめの仕事」。
毎年、2月下旬くらいから3週間くらいの間、漁港近くの「わかめ小屋」に毎日のように島民が集まって、わかめ出荷前の下処理や袋詰めを手伝うのが恒例になっているのだそう。

いよいよ、今年もその大仕事が始まったと聞いて、私も手伝おうとわかめ小屋に向かいました。
「男木島のエジソン」と呼ばれる宮下のお父さんのわかめ小屋は、何に使うのか想像がつかない道具やマシンが所狭しと置かれていて、さながら研究所のよう。

皆さんがせっせと取り組んでいるのは、わかめを茎から外す作業です。

わかめの先端に近い部分をカッターで切って、

手でするするっと、わかめを茎から外します。

わかめを外されたあとに残る、大量の「茎わかめ」は、この時期の男木の風物詩。
「茎、もらいに来たでー」と、島の人たちが続々と顔を出しては、持って帰っていきます。

わかめは、どんどん追加されるので、お母さんたちも頑張って終わらそう、と気合が入ります。

その場に座りっぱなしの作業だけれど、お母さんたちのほとんど止まることないお喋りの声が、仕事を楽しくしてくれます。
ちょっと沈黙が続いたと思ったら、一人のお母さんが、突然ゴホゴホと咳き込みました。

「喋らんでおったら、ツバがたまる」
「ほんなら喋れー」

そして、お喋りはすぐに再開。

宮下さん家の愛犬スパークは、ときどきこちらに来ようとしては
「スパークいかん!こっち来たらいかん!」
と、よしみさんに注意され、定位置のマッサージチェアに戻ります。

少し休憩を挟んで、

お仕事続行です。

またしばらく仕事したあと、先ほど残したお茶を飲もうとしたお母さんが
「お茶にわかめ入っとるわ」と言ったので、みんな大笑い。
「わかめの仕事中は、お茶にも、コーヒーにも、わかめが入り込む」といいます。

時計の針が12時をまわったころ、よしみさんが、たっぷりのお昼ご飯を作ってきてくれました。

真っ白な塩むすびと、具がたっぷりの焼きそば。
美味しくて、みんなで勢いよく食べます。

宮下さんのアドバイスで、とれたてのわかめをどん兵衛に入れてみます。
やわらかくて、海の香りがして、なんとも贅沢な気分。

さて、午後も引き続きわかめを外します。
同時進行で、わかめに塩をしていくきよしさん。
重たいわかめを次々と持ち上げては、マシンの中に入れて行きます。

夕方になり、みんな、わかめを外し続けている肩が重たくなってきた頃。
朝の4時から仕事をしているお父さんの足がつったのを合図に、

「ほんなら、もう置こうか」

と、作業終了。

道具を綺麗に片付けてお母さんたちは解散したあとも、
きよしさんたちによる、わかめの塩蔵作業は続きます。

入り口の黒板に目をやると、島の人たちからの、わかめの注文がずらり。
毎年、親戚や友人に送るととても喜ばれるから、男木の各家庭はキロ単位でわかめを買うんだそう。
あるとき、知り合いの知り合いにまで男木のわかめが渡って、
その美味しさから「あのわかめはどこのや!」と感激した人が、男木のものだと聞きつけて買いに来た、という話をお父さんは嬉しそうに話します。

みんなの期待を背負って、男木のわかめ仕事はまだまだ続きます。