男木の土から生まれる食卓

Blog, 場所と品々

家から歩いて3分ほど。
みよこさんの作るご飯が食べたくて、「ドリマの上」にやってきました。

時間は、お昼の12時。
中庭から入って、古民家の入り口を開けると、そこは木の温もりあるテーブルに、薪ストーブの空気がほっと温かい、居間のような空間でした。

日曜日の今日は、私の他に、3人のお客さんが来ています。
みよこさんがカフェを作るときにボランティアで来てくれていた方々で、その後も長いお付き合いになるそう。
4人でテーブルを囲んで座ると、みよこさんが色鮮やかなプレートを運んできてくれました。

みよこさんの作るご飯は、男木でとれた素材から作られます。

アケビの皮で作った味噌、ゆずの皮のゆべしなど、どれも食べたことのないものばかりですが、一口食べると、こんなに美味しいものがあるのか!という感動とともに、身体にじんわり染み渡るような安らかさを覚えます。
みよこさん自身の畑から、新鮮な野菜や薬草、果物などをとってきてすぐ料理するので、その一品一品がしっかりとした素材の味を持っていて、塩やお砂糖とは違う「濃さ」に、本当においしい、と感じます。
薬草をたっぷり使ったカレーは、レモンバーム、ミント、フェンネルなどを使っているそう。

食後、みなさんとゆっくりお話ししていると、みよこさんや森下さんが様々なデザートや飲み物を持ってきてくれます。ゆず蜂蜜を加えた甘酒豆乳や、黒米の甘酒は、冬の体を温めてくれます。

山葡萄の「エビヅル」をアルコール発酵させて作ったジュースは、発酵途中のものと、3ヶ月発酵させたものを飲み比べさせてくれました。発酵途中のものはとてもすっぱいのに対し、3ヶ月発酵のものはバルサミコのようなまろやかな甘さがあります。(写真は発酵途中のもの)

「こんなに美味しいものが、こんなに家の近くで食べられるなんて」と、言い表しきれない幸せを伝えると、「なんてことない、昔ながらの家庭料理なんですよ」とみよこさん。

「うちの食事のベースは、種と果物。縄文のような生活なんです。
乳製品を使わず豆乳を使ったり、砂糖のように凝縮されて作られた素材は、身体への影響を考えて、使わないようにしていますね」と言うとおり、たしかにどの料理も、強い甘みやこってりとした油分は感じないけれど、素材本来の甘みやしっとり感が、ゆっくりとお腹におりていくような満足感をもたらします。
家庭料理は「家族が健康になるものを」と工夫が重ねられた料理で、たくさんの知恵が詰まっていると言います。

「ここに来ると、楽しい話を聞かせてくれる人がいる」というのもこの場所の魅力だと、来客の3人は口を揃えます。森下さんやみよこさんが男木の木で作ったという柱や梁、テーブル、食器が、「男木の香り」を無意識に感じさせることも、また帰ってきたくなる魅力の一つ。

みんなの話題は、地域のものを活かした生活から、物々交換の時代が来ること、ものづくりを媒介として外とつながることなど、多岐に及びました。

男木島の土から生まれた良いもの、良い仕事が詰まったこの空間にいると、自然と、「自分も良い仕事がしたい」という前向きな気持ちが湧いて来ます。