食も家も、手作りする暮らし

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Blog, 日々

弘前駅からバスに乗り、延々と続くリンゴの木の中を走ること、4、50分。終点の弥生北口に着く頃には、乗客はもう私だけでした。

バスを降りるとすぐに、1台だけ止まっている車から「こんにちは」と明るい声が。今日から5日間、お世話になるしらとり農場の潤子さんです。

幼稚園帰りのちよりちゃんの隣に乗せてもらい、さらに10分ほど登ると、「津軽富士」とも呼ばれる大きな岩木山のふもとに、一軒の素敵な家が見えてきました。

岩木山麓しらとり農場は、青森県弘前市で農薬や化学肥料を一切使わず野菜を育てている有機農家。

岩木山を背に建つ、どこか北欧的な雰囲気のある素敵な家には、ご主人の克之さんと奥さんの潤子さん、小学生の息子さんと娘さんの4人家族に加えて、スタッフの高橋さん、そして世界各国から有機農業を学びに訪れる人々が、農作業を手伝いながら滞在しています。
私も、WWOOF(有機農家とボランティアが、金銭のやりとりなしで「労働力」と「食事とベッド」を交換する仕組み)を通して、5日間、農場に滞在を受け入れてもらいました。

朝いちばんに収穫した野菜を、県内を中心に1軒1軒の家庭へ直接届けているしらとり農場の一日は、朝の5時半、鷄の声とともに始まります。

長ネギ係を任命された私は、ピンと高く伸びたネギを根っこから引っこ抜き、まわりの皮を取り除く一連の流れを教えてもらいました。

「むきすぎると、お客さんがむくところなくなっちゃうからほどほどに」と、高橋さん。

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収穫したネギをどっしりと台車に積んで軒先へ持ち帰り、ホースの水で泥を落としたら、ネギを何本かずつ束にして新聞紙で包んでいきます。
一人暮らしのお家には、使いやすい細めのネギを多めに。3人、4人家族には、ボリュームのある太めのネギを入れて行きます。
食べる人に直接届けているからこその、気づかいを感じます。

ひと仕事終えてから庭にある窯で茹でてもらう穫れたての枝豆は、最高のご馳走。

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収穫が終わったら、きゅうりやパプリカ、茄子、長ネギといった季節の野菜をひとつひとつ丁寧に木箱に詰めて、克之さんや潤子さんがトラックで各家庭へ配達へ。

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しらとり農場では、生活の中のエネルギーはほとんど自給自足で、お風呂は毎日、薪で火を起こして焚いています。特に夏の間は、庭先にある大きな太陽光湯沸かし機(なんと手作り)だけで良い温度に焚けるそう。
蛇口から出る水は湧き水で、排水は農場の土に流れるから、家庭でも化学系のシャンプーや洗剤は使いません。
料理中に出る野菜の切れ端などは、土に還して畑の養分に。
栄養、水、エネルギーがぐるぐると循環しているのが生活を通して感じられます。

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手作りの湯沸かし器

少しずつ自分たちの手で増築してきた木造の家には、夕方になると、潤子さんのピアノと歌声に乗せて、子ども達の楽しそうな声が響きます。
普段は、ここに克之のチェロが加わりますが、このときはちょうどオーケストラの演奏会にむけて、毎日練習に出かけていました。

夕飯の支度をする潤子さんの隣で、デンマークへ留学していたときの話や、ご主人と農場を見つけてから開拓するまでの話を聞いたり、一緒に滞在したWWOOFerのみんなとおしゃべりする毎日。
休みの日には青森まで克さんのコンサートを聴きに行って、山をお散歩したりと、日本ではないどこか北欧の国にでも来たような気分に包まれました。

 


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